「高さ50センチの柵は危険」市道管理に瑕疵認定 摂津市に2000万円賠償命令

2009.2.19 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090219/trl0902191915006-n1.htm

 大阪府摂津市市道を歩行中、高さ約50センチの柵を越えて約3メートル下の側道に転落した女性(34)が、転落防止に十分な高さの柵を設置していなかったとして、市道を管理する摂津市に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、大阪地裁で開かれた。小林久起裁判長は「安全性を欠いていることが明らかなさくを放置し、市道管理の瑕疵(かし)があった」として、市に約2000万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は平成18年5月29日午前0時50分ごろ、摂津市内の阪急京都線正雀駅近くの市道を酒に酔った状態で歩行。誤って市道脇の柵でひざを打ち、バランスを失って側道に頭から転落した。女性は頸髄を損傷し、四肢まひの後遺障害を負った。

 小林裁判長は「人通りの多い駅前の市道は安全性を備えているべきで、高さ約50センチの柵では歩行者の転落の危険性を十分に防止できない」と認定。

 柵は昭和3年に設置されたが、その後国の通達などで新たに設置する防護柵の高さの標準は110センチとされたとし、「柵が110センチに改修されていれば、女性が側道に転落することはなかった」と指摘した。

 摂津市は「判決が届いていないので、現時点でのコメントは差し控えたい」としている。

高さ50センチの柵で女性転落 80年前設置、摂津市に賠償
2009年02月19日 河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2009/02/2009021901000865.htm

 大阪府摂津市の駅前の市道で、80年以上前に設置された50センチしかない柵を越えて3メートル下の側道に転落し、四肢まひの後遺障害を負った女性(34)が、市に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は19日、約2000万円の支払いを命じた。
 判決理由で、小林久起裁判長は「低く老朽化した安全性を欠いた柵を長期間放置した」と市の過失を認定。一方、女性が深く酒に酔っていたとして損害の8割を減額した。
 柵はコンクリート製で1928年ごろに設置。旧建設省は98年、転落防止目的の柵は高さ110センチが標準と通達している。小林裁判長は「通達が直接適用されないとしても、人通りの多い場所には本来あってはならないはずの危険性が生じていた」と指摘した。
 判決によると、女性は2006年5月29日未明、阪急正雀駅南口近くの市道を通行中、バランスを崩して柵を越え、側道に頭から転落、頸椎を骨折した。
 市は「判決が届いていないので、コメントは差し控えたい」としている。