鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は10日

2009/02/11付 西日本新聞朝刊
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/76563

 鹿児島県阿久根市竹原信一市長は10日、敵視する市議会から突き付けられた不信任の議決に対抗し、念願だった議会解散を断行した。

 議会を抵抗勢力に仕立て、主張する「改革」を推し進めようとする姿勢はいつか見た光景だが、インターネットのブログ(日記風サイト)や市報で市議を誹謗(ひぼう)中傷するやり方はおかしい。首長と議員は住民から負託を受けた地方自治の両輪。竹原市長の手法は、この根本を否定しているかのようだ。

 一方で、竹原市長の「議会は市長提案を追認するだけで無駄」という指摘にはうなずける部分もある。議員報酬の日当制など検討する価値は十分にある。出直し市議選の候補者は市長へのスタンスではなく、市政への姿勢が問われるべきだろう。

 竹原市長は「地方自治の革命児」か、はたまた「単なる独裁者気取り」か。評価は市民に委ねられた。