石垣市マンション建設 差し止め請求却下 那覇地裁

沖縄タイムス 2009年01月21日【朝刊】
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-21-M_1-025-1_003.html?PSID=4e6f58ede083bb0cccf39d7d40e397c3

 国指定の名勝・川平湾を望む石垣市川平の「吉原地区」で、七階建ての賃貸マンション建設が計画された問題で、周辺住民六人が、景観保護を定めた石垣市の条例に違反するとして、県に建築確認しないよう求めた訴訟の判決で、那覇地裁(大野和明裁判長)は二十日、同条例が建築確認の審査対象にはならないとして、住民側の訴えを退けた。

 六人の原告全員に、景観を侵害されない法的な利益(景観利益)があることを認めたが、建設予定地から約二百―七百メートルに住む原告五人については、地震や台風などに伴う建物の倒壊や、土砂流出などによる直接被害を想定できないとして、訴えを却下した。

 住民側は、建築基準法の施行令だけを建築確認の審査基準にせず、石垣市の風景づくり条例や環境保全条例も対象にするよう訴えていた。判決は「特別の根拠はない」として退けた。

 石垣市が景観地区に関する都市計画を定めれば、審査対象になるとしている。

 判決によると、建築主の男性は二〇〇七年六月、建築確認申請をしたが、追加資料の提出を求められたまま手続きを中断している。