夕張市立病院、19床の診療所に 40床は老健に転換 市が方針固める 2007/01/17 07:04

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070117&j=0023&k=200701179385

【夕張】約四十億円の赤字を抱え、公設民営化での存続を模索してきた夕張市立総合病院(百七十一床)について、夕張市は十六日、公設民営化の上、十九床の有床診療所とする方針を固めた。療養病床四十床については、介護老人保健施設に転換する。同病院は近く、こうした方針に基づき、運営主体となる指定管理者の募集を始める。

 市立病院に関しては、十二月末から内科医として勤務する、村上智彦医師=前・桧山管内せたな町立瀬棚国保医科診療所長=が十九床以下の診療所での運営継続を念頭に、道に医療法人設立を申請している。

 市の方針が村上氏の考えと一致したことや、現在、村上氏以外に具体的な動きはないため、申請中の法人が市立病院の運営を引き継ぐ可能性が高まった。

 市は、九月の外部経営診断で「三十床の病院」を提言されたが、三十床では採算性に問題が多く、逆に規模を大きくすれば、医師、看護師の確保が難しい点に考慮。診療所なら、医療スタッフの配置など施設基準が病院よりも緩和され、指定管理者の裁量の幅が広がると判断した。一方、市内には入院病床を持つ施設がなく、診療所最高の十九床が必要最小限度と結論付けた。

 老健施設は、外部経営診断で、市内の高齢化や、雇用確保の面などから、百五十床を提言されていたが、介護保険計画との整合性や需要面から、現在の療養病床分の転換にとどめることにした。

 市の方針確定で、市立病院の再建問題は大きなヤマを越えた格好だが、年間約二千万円の黒字を出している市立南清水沢診療所の扱いや、病床数の大幅減による透析の入院・通院患者の転院、救急医療体制などの問題もなお残っている。