名張市議会で「子どもの権利を守る市子ども条例」が議員提案され可決される(三重)

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20060315wm01.htm

名張市議会で14日、子どもの権利を守り、健やかにはぐくむまちづくりの推進を目指す「名張市子ども条例」が議員提案され、全会一致で可決した。虐待やいじめ、体罰などの権利侵害から子どもたちを守るために、すべての市民が救済を申し立てることができる「権利救済委員会」の設置を盛り込むなど子どもの権利を保障するのがねらい。市議会事務局によると、制定は県内では初めてといい、来年1月に施行する。

 同条例は全6章からなり、前文で「名張市で育つ子どもの最善の利益を尊重し、子どもの権利を保障する」とかかげ、18歳以下の者を子どもと規定。生きる権利、育まれる権利、守られる権利、参加する権利を認め、権利侵害の禁止をうたった。

 権利侵害を受けた子どもの救済や回復をために設置する「子どもの権利救済委員会」は、市長の付属機関と位置づけ、市長が学識経験者ら3人を委員に任命、救済の申し立てに対し調査や関係機関への助言、是正の要望ができる。

 このほか、「市子どもの権利を考える週間」を設けるほか、健全育成のための基本計画の策定、計画を推進する、市長を本部長とする「子ども健全育成推進本部」の設置を市に求めている。

 同条例案は2003年から藤島幸子副議長(公明)ら有志6人が議員提案を目指し研究を続けていた。提案者は議長を除く全市議19人がなった。

 藤島副議長は「子どもを取り巻く環境は大きく変化しており、虐待や権利侵害など多くの課題がある。条例の制定によって子どもの権利を最大限尊重するという意識をすべての市民に持ってほしい」としている。

(2006年3月15日 読売新聞)