時効の殺人賠償認めず 足立の教諭殺害東京地裁判決

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060927/mng_____sya_____004.shtml

一九七八年に東京都足立区立中川小学校教諭石川千佳子さん=当時(29)=を殺害して自宅床下に埋め、殺人罪の時効成立後に自首した元同校警備員の男(70)に対し、遺族三人が約一億八千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十六日、東京地裁であった。永野厚郎裁判長は「遺体を隠し続け、遺族から死者を弔う機会を奪った」として、男に計三百三十万円の支払いを命じた。 

 殺人に対する賠償請求については、不法行為から二十年で賠償請求権が消滅する民法除斥期間を適用し、原告の訴えを退けた。区に対する安全配慮義務違反などの賠償請求も認めなかった。

 遺族は裁判で「殺されていること自体二十六年間分からず、提訴は不可能だった」として、除斥期間の起算点は殺害発覚時と主張していた。遺族は直ちに控訴する方針。

 判決によると、男は七八年八月、小学校の廊下で石川さんの首を絞めて殺害。自宅の床下に埋め、二十六年間暮らし続けた。一昨年八月、区画整理で自宅を立ち退くことになり警視庁に自首したが、時効が完成しており起訴されなかった。