阿久根市長また“裏技” 議会不同意の副市長を参事に

2009年2月3日 読売新聞
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090203-OYS1T00235.htm

 ブログ(日記形式のホームページ)を使った選挙運動などで物議を醸している鹿児島県阿久根市竹原信一市長(49)が、副市長に推しながら議会の同意を得られなかった元会社員の橋口信幸氏(57)を市農政課参事として1日付で採用したことが分かった。

 行財政改革の中心になるという。議会が不同意とした人物を市長が独断で管理職に採用したのは市教委課長に次いで2人目。識者は「民主主義の手順をすり抜ける裏技」と批判している。

 市によると、採用は市職員任用規則の「選考による採用」に該当し、採用試験や議会の同意は不要。参事は決裁権のない課長級職員という。

 市長は昨年8月、「民間からの副市長起用」などを掲げて当選。副市長に橋口氏を充てる人事案を9月議会に提案した。しかし議会は「民間出身の市長を補佐する副市長は行政経験者が相応」との理由で不同意とした。任期満了で退任した教育長ら教育委員2人の後任人事案についても「市外在住者である」などとして不同意とした。

 これに対し市長は昨年12月、議会が不同意とした元三島村教育長の長深田悟氏を市教委教育総務課長として新規採用し、教育長を兼務させた。この場合も「選考による採用」で、市の規則で教育長が空席の場合、教育総務課長が兼任できることを逆手にとった。

 反市長派がほとんどを占める市議会の反発もあり、同市の教育委員は5人中3人が不在という状態が続いている。文部科学省初等中等教育企画課は「議会の同意を得なかった人物を市教委に迎えたケースは聞いたことがない。市長や議会は教育委員の任命に努力し、早く正常な状態に戻してほしい」としている。

 阿久根市のニュースについては、よく識者の見解が載りますが、一見しただけでは識者の見解は妥当なものと受けとれますが、阿久根市は単に市長と議員がうまくいっていないのではなく、市長は議会が本来的な機能を果たしていないのを改革しようとする中でのトラブルだと思います。そして、議会を改革するには住民が変わらなくてはならない、究極的には住民を変えようとしているのだと思います。識者の方々の発言は重いですから、阿久根市の事情をいろいろ知ってから発言してもらいたいと思ってます。