阿久根出直し市議選 “中立”前議員、苦悩の選挙戦

2009年2月15日 読売新聞
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/20090215-OYS1T00311.htm

 3月22日投開票が決まった阿久根市の出直し市議選(定数16)は、「改革」を標榜する竹原信一市長(49)の市長派と、それを阻止しようとする反市長派が、ともに候補者の擁立を急ピッチで進めている。現在、20人以上の立候補が取りざたされ、「対決の構図」が浮き上がってきた。そんな中、竹原市長の政治理念に一定の理解を示しつつも、市長の不信任案に賛成した“中立路線”のある男性前議員が苦悩している。改選後の市長の失職をにらんだ選挙だけに、旗幟(きし)鮮明にしないと選挙戦は戦いにくい。反面、「是は是、非は非」との信念で、竹原市長と向き合ってきた姿勢は曲げられないからだ。
 ◆「市民に理解求める」

 前議員は、議会定数を10削減する条例改正案では、「地域の声を行政に反映できなくなる」と反対した。が、反市長派の反対で不同意になった教育長人事案については、「教育行政を正常化すべき」との理由で同意した。不信任案が提出された6日の臨時議会では、「行財政改革の必要性は理解するが、市民生活に直結した夢のある政策はなされていない」と、賛成する立場で討論した。

 「私は市長派でも反市長派でもない」。議会解散後の12日、険しい表情でそう語った。

 だが、現実に選挙は近づいている。支持者からは「市長派に付くべき」「反市長派の方がいい」と、両極の声が寄せられている。「このままでは、両派の間に埋没してしまうかもしれない。しかし、これまでの姿勢を市民にしっかり説明し、理解を求めていく」と語り、今のところ、中立を貫いている。
 ◆市長交代のキーマン

 出直し市議選への立候補の動きは活発化し、市長派は前議員1人と市長に理解を示す政治団体「阿想会」の推す新人5人程度、反市長派は前議員12人のうちの約10人と新人7人程度が予定している。この外にも元議員の名前が挙がっており、激戦は避けられない情勢だ。

 地方自治法によると、改選後の市議会で、2度目の不信任案が出された際、定数の3分の2以上が出席し、その過半数が賛成すれば市長は自動的に失職する。定数16の阿久根市議会では、反市長派が11議席を占めれば、「万全の状態」となる。

 ただ、改選後の議席構成によっては、市長の失職をめぐって、市長派と反市長派による前議員の1票の取り込みも予想される。キャスチングボートを握ることになりそうだが、前議員は「市議選のことで精いっぱい。選挙後のことはまだ考えられない」と心情を語った。

 市長の議会解散による今回の市議選では、市長派、反市長派の対立が際だっている。しかし、前議員の市長に対する「是々非々」のような視点を捨て置くことはできないだろう。有権者には、市長が、市議が、その資質を有しているのかどうかを見極める目が求められている。

反市長派のことを”何でもかんでも反対する人たち”であれば、下手をすると市長はも”何でもかんでも賛成する人たち”ということもできますよね。

基本的には、竹原市長の考えに賛同する者ですが、”何でもかんでも賛成する人たち”となってはいけないと思います。この記事のように、賛成反対は、個々の事案の内容によって判断すべきものと思います。このことは、国会でも同じだと思います。例えば、郵政民営化での選挙の時のように、造反したから自民党を除名(だったかな?)しちゃうなんていうのは違うのではないかと思います。一人一人の考え方はみんな違うわけですから、それを自民党だから政府提出案件にはすべて賛成しろ、っておかしくないのかな〜。大きい意味で自民党の考えに賛同するのであって、個々具体の政策については当然いろいろな考えがあるわけです。それが認められる土壌が必要なのではないのでしょうか?

といった訳で、この中立というスタンスは正解だと思います。ただ、今回の議会解散は、議会の民主化、正常化(市長と議会がべったりという意味ではなく、本来あるべき議会の姿になるという意味です)を目指すものですので、こういった竹原市長の改革を継続する機会をなくさないためにも、この中立の議員には、竹原市長が再度の不信任決議がなされないような行動をとってもらいたいです。

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