阿久根市長の不信任可決、出席全議員賛成で

2009年2月6日 読売新聞
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090206-OYS1T00599.htm?from=ranking

 ブログ(日記形式のホームページ)を使った選挙運動などで物議を醸している鹿児島県阿久根市竹原信一市長(49)に対する不信任案が、6日開かれた臨時市議会に議員提案された。出席した15議員全員が賛成し、可決した。

 地方自治法に基づき、市長は10日以内に市議会(定数16、欠員1)を解散しなければ失職するが、市長は議会解散を選択する意向で、3月にも出直し市議選が行われる。

 昨年9月に就任した竹原市長は、市議らによる公職選挙法違反での刑事告発に発展したブログ問題をはじめ、議会定数を10減して6にする条例改正案を提案したり(議会は否決)、教育長、副市長に議会が同意しなかった人物を独断で市幹部として採用したりした。

 このため、12人の反市長派市議は「議会制民主主義を否定している」と不信任案の提案に踏み切った。

 6日午前10時に開会した臨時議会の冒頭、木下孝行議員が「阿久根市を市政史上かつてなく混乱させ、全国に阿久根市の恥をさらした」と理由を述べ、不信任案を提案した。本会議での討論で、不信任案に賛成する議員は「市民生活に直結した夢のある施策がなされていない」「市長としての職責をまっとうしていない」などと述べた。

 竹原市長は不信任案の可決後、読売新聞の取材に応じ、「議会を解散する。市民の声を反映できる議会に生まれ変わることを望む」と述べた。閉会後に記者会見し、議会解散の意向を表明する予定。

 地方自治法によると、不信任を突きつけられた市長は、議会解散か自身の失職を選択できる。議会解散を選んだ場合、出直し市議選後に再度、市長不信任案が出され、賛成が過半数に達すると、市長は自動的に失職し、出直し市長選が行われる。

 3月にも行われる出直し市議選には、竹原市長を支持する複数の新人が立候補を予定。市長派と反市長派が議席を争う激しい選挙戦になりそうだ。